
設計コストと複雑さを最小限に抑えながら厳しい安全要件を満たすエンジニアを支援するため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2025年3月24日)、AVR® SD MCU(マイクロコントローラ) ファミリを発表しました。このMCUは厳格な安全性保証が求められるアプリケーションをサポートするために設計された機能安全機構を内蔵しています。この価格帯で初のエントリレベルMCUとなる本製品は、専用の安全ソフトウェア フレームワークと組み合わされており、重複した安全性チェックを義務付けるASIL C (Automotive Safety Integrity Level C)およびSIL 2(Safety Integrity Level 2)の要件を満たすよう設計されています。AVR SDファミリの安全性をさらに強化するため、このMCUはTÜV Rheinland社認証済みの機能安全管理システムに準拠しています。
ハードウェア安全機能には、デュアルコア ロックステップCPU、2つのADC (A/Dコンバータ)、全てのメモリに対するECC(誤り訂正コード)、専用のエラー コントローラ モジュール、エラー注入メカニズム、電圧モニター、クロックモニターが含まれます。これらの機能により、エラー検出時間が短縮されると共にソフトウェアの複雑さも低減されます。AVR SDファミリは、内部フォルトを迅速かつ決定論的に検出する機能を備えており、アプリケーションはわずか1ミリ秒のFDTI(フォルト検出時間間隔)目標を達成し、危険な状況を回避して信頼性を向上させる事ができます。
これらのハードウェア機能がマイクロチップ社の安全性フレームワーク ソフトウェアと連携して機能安全診断を管理する事で、MCUはエラーを自律的に検出および処理して、必要に応じて安全な状態に移行できます。このMCUは、熱暴走の検出やセンサデータ (ロータリー位置等)の監視等の重要な機能のメインプロセッサとして、最小限の消費電力で利用できます。また、ASIL DおよびSIL 3までのより高い安全度レベルをターゲットとするアプリケーションのセーフティ クリティカルな機能をミラーリングまたはオフロードするための、複雑なシステムにおけるコプロセッサとしても優れた候補です。
AVR SD MCUは、ISO(国際標準化機構)26262とIEC(国際電気標準会議)61508の規格に準拠して設計されています。安全規格は、航空宇宙/防衛、産業用オートメーション、自動車、医療分野等の幅広い業界で導入されています。具体的なアプリケーションには、飛行制御システム、点火制御、ロボットの安全機能、ADAS(先進運転支援システム)、医療用輸液ポンプ等があります。マイクロチップ社のAVR® MCUと機能安全製品の全てのポートフォリオの詳細はマイクロチップ社ウェブサイトを参照してください。
[ブロック図]

[開発ツール]

AVR SD MCUはTÜV SÜD機能安全認証済みのMPLAB® XC8 Proコンパイラとマイクロチップ社の定評あるCuriosity Nano開発ボードと互換性があります。このMCUは、安全文書(FMEDA(故障モード影響診断解析)レポート、安全マニュアル、従属故障解析レポート)、安全ソフトウェア、コンプライアンス レポートを含む機能安全パッケージによってサポートされています。
[在庫/供給状況]
AVR SD MCUの単価は5,000個をご注文の場合、1個あたり0.93ドルからで、それ以上ご注文の場合は割引価格が適用されます。詳細とご購入はお問い合わせください。