
自動車メーカーはOLED(有機発光ダイオード)、microLED等の新技術を採用し、機能性とブランド アイデンティティをシームレスに融合させた革新的なスマート コックピット設計によって運転体験を一新しつつあります。しかし、こうした進化は、特に積層構造の薄型化とタッチ電極の増加により、静電容量式タッチセンシングの組み込みに大きな課題をもたらしています。これらの課題に対処するため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2025年2月21日)、車載HMI設計者に信頼性の高いタッチ ソリューションを提供するタッチスクリーン コントローラ ファミリ、ATMXT3072M1およびATMXT2496M1を発表しました。このシングルチップのタッチスクリーン コントローラは最大112個の再構成可能なタッチチャンネル (ウルトラワイド モードでは162個のタッチチャンネル)を備えており、16:9フォーマットで最大20インチ、7:1フォーマットで最大34インチの大型、曲面、自由形状のタッチ ディスプレイをサポートします。
オンセルOLED等の大型で薄型のディスプレイは、容量性負荷が高く、ディスプレイ ノイズと強く結合するタッチ電極を組み込んでいるため、タッチの誤検出または検出漏れのリスクが高まります。今回maXTouch®タッチスクリーン コントローラ ファミリに加わったこの新しいデバイスは、マイクロチップ社独自のSmart Mutualタッチアクイジション方式およびアルゴリズムを採用する事で、前世代と比較してSNR(信号/ノイズ比)を最大+15 dB向上させました。
ATMXT3072M1およびATMXT2496M1コントローラはASIL-AおよびASIL-B規格に準拠するように設計されており、マイクロチップ社のTÜV Rheinland社認証済みISO26262機能安全管理システムに従って開発されています。FMEDA(故障モード影響診断分析)と安全マニュアルも用意されており、お客様がシステムのタッチ機能について効率的かつ経済的な方法で認証を取得できるようサポートします。タッチ コントローラのファームウェアは、自動車のメイン コンピュータ システムによりアップグレード可能で、SHA-512暗号化ハッシュ関数を実装した統合ファームウェア認証機能を使って検証できます。このサイバー セキュリティ機能により、ISO 21434:2021規格に準拠した信頼性の高いOTA (Over-the-Air)アップデートが可能になります。
道路から目を離す時間を短くして安全運転を促すため、2026年のEuro NCAPテストでは、メーカーは、基本的機能について個別の物理的コントロールを使用するよう推奨される事が予想されます。マイクロチップ社のKoD ™(Knob-on-Display ™)技術を用いると、タッチスクリーン上に直感的な物理ノブを追加し、最新の車載ディスプレイの洗練された外観を維持しながら安全性を向上させる事ができます。また、タッチスクリーンにハプティックフィードバックを実装する事は、不注意運転を軽減する方法として知られています。新しいmaXTouch M1世代タッチスクリーン コントローラは、シェイプイベント トリガと自動パターンPWM(パルス幅変調)を組み合わせた専用機能等によって、超低レイテンシのハプティック制御を実現します。この革新により、メイン アプリケーション ホストプロセッサで行われるハプティック波形の判断と生成を、タッチスクリーン コントローラ側で処理できるようになります。
マイクロチップ社のタッチスクリーン コントローラ ソリューションの主な特長は、maXTouch M1世代ファミリ ウェブページを参照してください。
[開発ツール]
EV01S50A開発PCB(プリント基板)は、ATMXT3072M1タッチスクリーン コントローラ ファミリ専用に設計されており、お客様はデバイスをアプリケーション上で簡単に評価およびテストできます。EV13B92A評価用キットには15.6インチのITOタッチセンサが含まれています。
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