EV(電気自動車)充電器の信頼性と性能は世界市場への普及を可能にする上で非常に重要です。EV メーカーは最高水準の堅牢性と悪天候への耐性を備えた、使いやすい EV 充電器の提供に力を入れています。EV 充電器の開発期間を短縮するため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2024年8月8日)、柔軟性と拡張性に優れた3つのEV充電器向けリファレンス デザインを発表しました。これには、単相AC住宅用、OCPP (オープンチャージ ポイント プロトコル)とSoC(システム オンチップ)を搭載した三相AC商用、OCPPとディスプレイを搭載した三相AC商用が含まれます。

これらのEV充電器向けリファレンス デザインでは、MCU、アナログ フロントエンド、メモリ、コネクティビティ、電力変換等、ほとんどの能動部品をマイクロチップ社が供給します。これによって統合プロセスが大幅に効率化され、メーカーは新しい充電ソリューションの市場投入期間を短縮できます。

マイクロチップ社の EV 充電器向けリファレンス デザインは住宅用、商用充電アプリケーションのニーズを満たす幅広いソリューションによってターゲット市場に合わせて拡張できます。リファレンス デザインでは、OCPPを含む試験済み、規格準拠済みのソフトウェア スタックと共に完全なハードウェア設計ファイルとソースコードが提供されます。OCPP は充電ポイントまたは充電ステーションと中央システムの間で通信するための標準的なプロトコルをメーカーに提供します。このプロトコルはネットワークまたはベンダーに依存しない相互運用性を実現します。

マイクロチップ社のEV充電器向けリファレンス デザインの特長

単相AC住宅用EV充電器向けリファレンス デザインは、単相充電が使われる家庭用充電向けのコスト効率と利便性に優れたソリューションを提供します。自動校正機能付きの高性能な電力計デバイスを内蔵しているため、製造プロセスが簡素化されます。設計にはPENフォルト検出とRCD検出を含む安全保護機能が統合されています。

OCPP、Wi-Fi® SoC搭載三相AC商用EV充電器向けリファレンス デザインはハイエンドの住宅用および商用充電ステーション向けです。充電ネットワークとの通信用にOCPP 1.6スタック、リモート管理用にWi-Fi SoCを内蔵しています。

OCPP、ディスプレイ搭載三相AC商用EV充電器向けリファレンス デザインは、UL 2231に準拠したアーキテクチャ レビューが完了している等、堅牢な動作が重視される商用および公共用充電ステーション向けです。22kWまでの出力だけでなくモジュラアーキテクチャと、双方向充電機能を提供します。過酷な環境に対応するよう設計されたTFT(薄膜トランジスタ) パネルとタッチ入力を備えた堅牢なGUI(グラフィカル ユーザ インターフェイス)も搭載しています。

世界のEV充電を取り巻く環境は複雑かつ細分化されていますが、マイクロチップ社は設計プロセスから実装までを大幅に簡素化する主要技術とソリューションを提供しています。マイクロチップ社はリファレンス デザインの他にハードウェア、ソフトウェア、グローバルな技術サポートを提供しています。マイクロチップ社のEV、HEV、PHEVソリューションの詳細はウェブサイトを参照してください。

[開発ツール]

EVリファレンス デザインはMPLAB® X IDE(統合開発環境)でサポートされており、設計者の開発時間短縮に役立つ他、MPLAB Harmony v3MPLAB Code Configurator でもサポートされています。