産業用オートメーション システムの分野では、独自規格に基づくプロセス同期ソリューションから、互換性に優れ設計コストが低い標準規格に基づくソリューションの採用へと開発方針の転換が進んでいます。プロセスの厳密な同期を実現するため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2022年11月11日)、高精度時刻同期プロトコルを規定した IEEE®1588v2 規格準拠の LAN8840 および LAN8841 Gigabit Ethernet トランシーバ デバイスを発表しました。LAN8840/41 Ethernet デバイスは、Linux®ドライバが利用可能で、10BASE-T、10BASE-Te、100BASE-TX、 1000BASE-T 等の Ethernet 速度を柔軟に選択できます。

LAN8840/41 デバイスは、ネットワーク遅延の測定、遅延への対処、接続された全デバイス間での時刻同期のために各種コンポーネント間で伝達される高速タイムスタンプを生成する事で、厳密なパケット優先順位付けを容易にします。これは、ロボット工学、分散型センサ、冷却および混合システム等、精密に制御された生産システムを必要とするプロセス オートメーション アプリケーションに必須の機能です。厳しい温度環境向けのアプリケーションを想定して設計された LAN8840/41 デバイスは、-40~+105 ℃の拡張産業用温度レンジに対応しています。

ネットワークの消費電力を低減する事でお客様の持続可能な目標の達成を支援するため、LAN8840/41 は WoL (Wake-on-LAN)、Energy-Detect パワーダウン モード等の機能を備えています。また、EEE (Energy-Efficient Ethernet)は、電力性能を最適化するための低消費電力アイドルおよびクロック停止モードを備えています。

マイクロチップ社は、産業グレードのネットワーク ソリューションの定評あるサプライヤで、高信頼性および高集積製品の幅広いポートフォリオを提供しています。新しい LAN8840/41 デバイスは、正確かつ精密なタイムスタンプが必要で NIST(米国標準技術研究所)により UTC(協定世界時)との 1 ミリ秒以下での同期が実証されていなければならないガスおよび化学処理、配電、外貨取引システム等のアプリケーション市場に適しています。

開発ツール

LAN8841 EDS (Ethernet Development System) ドータカードは、互換性のあるマイクロチップ社ホストボードに接続するように設計されたアドオンボードです。この EDS ドータカードを PCIe®ネットワーク アダプタと組み合わせる事で、PCIe インターフェイスをサポートする任意のホストを使って LAN8841 を評価できます。PTP4L (Precision Timing Protocol for Linux)をサポートする LAN8841 用 Linux ドライバは、マイクロチップ社の GitHub リポジトリで提供しています。

在庫/供給状況

LAN8840 (48 QFN)と LAN8841 (64 WQFN)は本日(元記事日付2022年11月11日)より受注を開始いたします。

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