コネクテッドカーが Ethernet によるネットワーク接続に対する依存度を高める今日、インフォテインメント システム開発を合理化し、変化を続けるメーカー要求仕様に迅速に対応するためにスマートな技術が求められています。マイクロチップ社は本日(元記事日付2021年2月10日)、ハードウェア ベースの AVB (Audio Video Bridging)向けオーディオ エンドポイント ソリューションである LAN9360を発表しました。本デバイスは、プロトコル内蔵シングルチップ Ethernet コントローラです。

LAN9360 はスピーカ、アンプ、マイクロフォン、ナビゲーション システム、ラジオチューナ、スマート ヘッドレスト等の車載インフォテインメント デバイスを Ethernet AVB で相互接続します。LAN9360 は I2S™ (Inter-IC Sound)、TDM(時間分割多重)およびPDM (パルス密度変調)ローカル オーディオ インターフェイスと Ethernet AVB の間でオーディオを橋渡しします。本デバイスは gPTP(generalized Precision Time Protocol)、タイムスタンプ、転送プロトコル、HDCP (High-bandwidth Digital Content Protection)によるコンテンツ保護を含む Ethernet AVB 上のオーディオ転送を完全にサポートします。

また、セキュアブートと Ethernet 経由のセキュアなリモート更新もサポートしています。SoC (System-on-Chip) MCU(マイクロコントローラ)とサードパーティのソフトウェア スタックを必要とする他社製 Ethernet ブリッジ ネットワーク ソリューションとは異なり、LAN9360ではソフトウェアの統合が不要であり、メーカーのオーディオおよびネットワーク要求仕様に合わせてデバイスを簡単かつ迅速に設定できます。

LAN9360 は マイクロチップ社の車載 Ethernet 製品ポートフォリオおよびトータルシステム ソリューションを拡充するものです。マイクロチップ社は他にも車載アプリケーション向け Ethernet デバイスとして IEEE 802.3bw-2015 仕様準拠低コスト シングルポート物理層トランシーバ LAN8770 100BASE-T1 PHYを提供しています。

本デバイスは UTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルで 100 Mbps の通信が可能です。また、マイクロチップ社の車載セキュリティ アプリケーション向けCryptoAutomotive™セキュリティ IC ポートフォリオのセキュリティ デバイスである Trust Anchor (TA100)はコード認証、セキュアブート、HDCP によるオーディオ コンテンツ保護をサポートします。

ブロック図

開発ツール

マイクロチップ社は開発ボードの他、直感的なグラフィカル ユーザ インターフェイスを使って LAN9360 を設定するための MPLAB®Network Creator を無償で提供しています。MPLAB Network Creatorを使うと、LAN9360 の設定ファイルを素早く直観的に生成し、LAN9360 のファームウェアまたは設定を Ethernet 経由でリモートから更新できます。

在庫/供給状況

LAN9360 は本日(元記事日付2021年2月10日)より 100 ピン TFBGA (Thin Profile Fine Pitch Ball)パッケージで受注を開始します。

本記事は、マイクロチップ社プレスリリース2021年2月10日より抜粋した内容を掲載しています。詳細はお問い合わせください。