組み込みシステムの複雑化が進み、性能向上の要求が高まる中、マイクロチップ社は本日(元記事日付2024年7月31日)、DSC(デジタルシグナル コントローラ)のdsPIC33A Coreファミリを発表しました。エンジニアが大量の演算を必要とする高度な組み込み制御アルゴリズムを作成できる事は、モータ制御、電源、センシング システムで優れた動作効率を達成するために不可欠です。dsPIC33A ファミリの先進のコアは、動作速度200 MHz の32 ビットCPU(中央演算処理装置)アーキテクチャを中心に構築されており、多くの閉ループ制御アルゴリズムの大量の数値計算を必要とするタスク向けにDP FPU(倍精度浮動小数点ユニット)とDSP 命令を備えています。dsPIC33A アーキテクチャは高性能かつ高精度なリアルタイム制御と包括的な開発ツール エコシステムにより、設計プロセスの合理化と高速化を実現します。
dsPIC33A DSCは、数値演算とデータ処理の強化、コード効率の向上、コンテクスト スイッチングの高速化、レイテンシの低減によって拡張されています。このレイテンシ低減により、過渡的なセーフティ クリティカル イベントに対する応答速度が向上します。新規およびアップグレードされた周辺モジュール (モータ制御とデジタル電力変換向けに特別に設計された高分解能PWM 等)は車載、産業用、コンシューマ、e モビリティ、データセンター、持続可能ソリューションの分野を含む幅広い市場における技術開発の進化を後押しするように設計されています。dsPIC33A ファミリの特長は、最高40 Msps の変換レートに対応する12 ビットADC、高速コンパレータ、オペアンプ等の内蔵アナログ周辺モジュールです。これらのアナログ周辺モジュールをCIP(コアから独立した周辺モジュール)と組み合わせる事で高度なセンシングと高性能な制御が可能になります。さらに、CIP によって周辺モジュール同士でCPU を介さずにやり取り可能になるため、単一のコントローラで複数のタスクを効率良く管理できるようになります。その結果、ソフトウェア スタック、機能安全診断、セキュリティ機能のためにCPU 帯域を確保しながら、より信頼性の高いリアルタイム制御が実現されます。
dsPIC33Aデバイスファミリは書き換え不可のルートオブ トラスト、セキュアデバッグ、メモリアクセス制限等のフラッシュ セキュリティ機能を備えています。コード生成を簡素化するため、DSC のISA(命令セット アーキテクチャ)はモデルベースの設計で生成されたソフトウェア コードの導入に対応しています。以上の特長により、dsPIC33A DSC はファン、ポンプ、コンプレッサの効率的なモータ制御を必要とするアプリケーションに適しているだけでなく、AI サーバ、電気自動車のOBC(車載型充電器)等のアプリケーションのデジタル電源変換を管理し、産業用および車載アプリケーションのセンサ インターフェイスを可能にします。
dsPIC33AK128MC1xx DSCの最初のファミリは、128KB フラッシュと豊富な周辺モジュールセットを備えています。パッケージは28~64 ピン、SSOP、VQFN、TQFP の幅広いオプションから選択でき、寸法はわずか4 × 4 mm です。将来的には、メモリ、周辺モジュール、ピン数を増強した製品を加えてdsPIC33A ファミリのポートフォリオが完成する予定です。マイクロチップ社のDSC デバイスの全一覧はデジタルシグナル コントローラのウェブページを参照してください。
[開発ツール]
dsPIC33AファミリはMPLAB® XC-DSCコンパイラ、MCC (MPLAB Code Configurator)、dsPIC33A Curiosity開発ボード(EV74H48A)でサポートされています。dsPIC33A Curiosity 開発ボードは機能拡張をサポートしており、BIST XPRO(組み込みセルフテストXplained Pro)拡張キット、センサ、各種Click Board™に接続可能なmikroBUS™およびXplained Pro インターフェイスを備えています。モータ制御、デジタル電力変換、汎用組み込みアプリケーションの開発をサポートするため、別途デュアル インライン モジュールを提供しています。dsPIC33A 開発ツールの一覧はdsPIC33A DSCのWebページを参照してください。
[在庫/供給状況]
dsPIC33A デバイスは本日(元記事日付2024年7月31日)より出荷を開始いたします。詳細はお問い合わせください。