省スペース化が重視されるアプリケーションに効率的なリアルタイム組み込みモータ制御システムを実装するため、マイクロチップ社は本日(元記事日付2024年2月27日)、dsPIC® DSC(デジタルシグナル コントローラ)をベースにした統合型モータドライバの新しいファミリを発表しました。これらのデバイスはdsPIC33 DSC(デジタルシグナル コントローラ)、三相MOSFETゲートドライバ、オプションのLINまたはCAN FDトランシーバを1つのパッケージに統合したものです。この統合により、モータ制御システム設計の部品点数の削減、PCB(プリント基板)面積の縮小、複雑さの低減といった大きなメリットが得られます。これらのデバイスは開発ボード、リファレンス デザイン、アプリケーション ノート、マイクロチップ社のFOC(界磁制御)ソフトウェア開発スイート、motorBench®開発スイートV2.45でサポートされています。

この統合型モータドライバ デバイスは最大29 V(動作時)、40 V(過渡時)の単電源で駆動できます。dsPIC DSCの電力は内部の3.3 V LDO(低ドロップアウト)電圧レギュレータから供給されるため、デバイスに電力を供給する外部LDOは不要です。70~100 MHzで動作するdsPIC DSCベースの統合型モータドライバは優れたCPU性能を発揮し、FOC等の先進のモータ制御アルゴリズムの導入を効率化できます。

さらに充実したマイクロチップ社の統合型モータドライバ ポートフォリオの詳細は、dsPIC DSCベースの統合型モータドライバのウェブページをご覧ください。

[ブロック図]

[開発ツール]

モータ制御ソフトウェアとハードウェア開発ツールの広範なエコシステムは、設計プロセスをより早く簡単にし、お客様の市場投入までの期間を短縮します。

dsPIC33CK MCSK(モータ制御スタータキット)MCLV-48V-300Wは、柔軟な制御オプションでラピッド プロトタイピング ソリューションを提供する、dsPIC33をベースにした新しい2種の統合型モータドライバ開発ボードです。MCSKには、dsPIC33CK低電圧モータ制御開発ボード、24 V三相BLDCモータ、AC/DCアダプタ、USBケーブル、その他のアクセサリが含まれています。この費用対効果の高いキットは12~48 VDC、最大連続電流10 Aで動作するモータ制御アプリケーションの迅速な試作を可能にします。MCLV-48V-300W開発ボードは、定格12~48 VDC、各相最大RMS連続電流25 Aを供給可能な三相永久磁石式同期モータの迅速な試作を可能にします。このインバータボードは、個別のDIM(デュアル インライン モジュール)をボードに挿入して特定のdsPIC DSCまたはMCU向けに構成するという新しいモジュール式のコンセプトを採用しています。

motorBench開発スイートは無償のFOC向けソフトウェア開発用GUIツールであり、MCAF(モータ制御アプリケーション フレームワーク)を使ってモータの重要パラメータの正確な計測、フィードバック制御ゲインの自動チューニング、ソースコードの生成を行います。最新バージョンのv2.45には、ZS/MT(ゼロ速度/最大トルク)と呼ばれるパワフルな新機能が加わりました。これにより、アプリケーションにホールセンサまたは磁気センサが不要になり、起動時および低速時のモータからのトルク出力を最大化できます。ポンプ、電動工具、eモビリティ、その他多くのアプリケーションで使えます。

MPLAB® Discoverには現在、各種モータ制御アルゴリズムおよび開発ボードをサポートするdsPICベースのMATLAB® Simulink®モデルが多数含まれています。マイクロチップ社では、dsPIC DSCとその他のマイクロチップ社製MCU用のモデルから最適化済みコードを生成するために使えるSimulink向けデバイスブロックを無償で提供しています。

dsPICベースのモータ制御リファレンス デザインは車載ファン、低電圧シーリングファン、ドローン用プロペラ コントローラ等、続々と数が増えています。これらのリファレンス デザインは、各種モータ制御アプリケーションで量産にそのまま使えるソリューションを提供する事により、市場投入期間を短縮できます。ボード設計ファイルには通常、ダウンロード可能な回路図、BOM、ボード ユーザガイド、モータ制御ソースコードが含まれています。

[在庫/供給状況]

詳細とご購入はお問い合わせください。